利用するソフトウエア

ここでは利用するソフトウエアについて簡単に説明しておきます。 細かい内容は機会があれば御紹介したいと思います。

まず、授業のプレゼンテーションつまり黒板に相当するものが必要です。 プレゼンテーションにはMagicPointを 利用します。 これは、そのプレゼンテーションをそのままWebページ用に加工する機能と、 mgpnetと呼ばれる簡易httpサーバによる Webブラウザを利用した同期プレゼンテーションが可能なためです。 他にも、 wbd(mbone/wbd)などがこのような目的に利用可能だと思われます。

プレゼンテーションは余り細かい内容は記述しませんので、教科書は必要になります。 大抵の場合印刷形式は必須ですが、 可能であればWebでも同じデータを流用したいものです [1] 。 FreeBSDのDocumentation Projectでも利用されている DocBookはSGMLベースのDTD(文章型定義)で、 技術文章記述用に作られています。 textproc/jadeを利用することで、 印刷形式にもWebプレゼンテーションにも利用可能です [2]。 現在のところ数式の利用などには問題がありますが、 DocBook-XMLを利用すれば 数式記述言語であるMathMLや ベクタ画像記述言語SVGなどとも 一緒に利用可能なので、十分な記述力が期待できると思います。 また、Cocoonを利用することで、 学生用クライアントに応じた形でのWebプレゼンテーションも可能でしょう [3]。 共通の教科書を作る作業は FreeBooks Projectとして 本誌連載中の桐山先生と一緒に行っています。 こちらも興味のある方はお手伝いくだされば幸いです。

コンピュータ実習では実際の操作の提示が必要になります。 専用のシステムを利用すると非常に高価になりますが、 ビデオ会議などに利用するシステムを流用することで、 安価で操作の提示が可能になります。 具体的には vic [4] を利用します [2] 。 FreeBSDのportsのvicには、Xの画面を転送するパッチが含まれていますので、 提示するためにはこれをサーバと学生用クライアントにインストールするだけです。 また、vicであればWindows用のクライアントもありますので、 クライアントにある程度の自由度が生まれます。 他にもVNCをうまく使う方法なども考えれます。 古典的な方法ではNFSマウントしたディレクトリに端末出力を流し込み、 学生側はそれを眺めるという方法もあります。

コミュニケーション機能も提供可能です。 普通は授業中のおしゃべりは許されないものですが、 実習系の授業では、作業をしているのかメールを書いているのか 区別するのはナンセンスです。 そこで、相談を積極的にやってもらうことを考えます。 具体的には電子メール(メーリングリスト)、NetNews、IRCなどが利用可能でしょう。 電子メールは過去ログを残し、全文検索エンジンと併用することで、 かなり強力な道具となることが期待されます。

プログラミング環境もFreeBSDでは標準で用意されているもので十分でしょう。 様々な言語教育をしたい場合でもports/langの中に、 BasicからLOGO、SmallTalk(Squeak)、Lispなどがありますので、 まず必要なものは手に入ると思って問題ないでしょう。 また、オペレーティングシステムのソースも手に入りますので、 実際に良いプログラムを読んで学習することも可能です。

注意

[1]

私の場合、毎年刷り上がってからミスを見つけるので、 なるべく修正したものが手に入る余地を作っておきたいのです。

[2]

ただし,vicは画像でデータを転送している点と、 圧縮による色が変わってしまうと言う問題があります。