カテゴリ:グラフ作成

xgraph by 武藤武士

●説明

xgraphはX11R3当時から存在するグラフ作成ソフトウエアです。 まだこの自分にはXのアプリケーションであっても完全にGUIだけで操作するわけでは ありませんでした。 データ入力はコマンドラインオプションでのファイル指定以外にも、 標準入力からの入力も可能です。 つまり、古き良き時代のフィルタでの利用も可能となっているという、 おじさんにはたまらないソフトウエアです。 著者は本職の実験などで、プログラムが出力したデータを即座にグラフにするために、 シミュレーションプログラムとxgraphを、 パイプでつないで利用するという方法を良く用いました。

完成原稿は別記事に説明されているGnuplotを利用して、 体裁を整えるという方針で、結果を出していました [1]。 また、特に日本語にこだわらなければxgraphでも それないの結果を出力することが可能です。

●インストール

xgraphをパッケージやportからインストールします。

●設定

特に必要な事前設定はありません。 毎回同じ設定で利用したい場合は、 Xのリソース設定を.Xdefaults.Xresourcesに行う必要がありますが、 設定できる項目はそれほど多くありません。

●使用方法

●●xgraphの基礎の基礎

xgraph は、x軸のデータとy軸のデータを列挙した以下のようなデータを グラフに表示するためのプログラムです。

図 1. 例題ファイル1:sample.dat

	  ------------------------------
	  10  132
	  20  235
	  30  300
	  40  432
	  ------------------------------
	

図1の例題を 画面にグラフを表示するためには 、 xgraph sample.dat のように入力します.表示されるグラフ 図2の通りです.

図 2. ●●sample.datxgraphによるグラフ

複数のデータをグラフにする場合は、データとデータの間に空行をいれます. 図3のデータ(sample2.dat) をグラフにして見ます(図4)。

図 3. 例題ファイル2:sample2.dat

	  ------------------------------
	  10  132
	  20  235
	  30  300
	  40  432

	  10  200
	  20  253
	  30  283
	  40  300
	  ------------------------------
	

図 4. ●●xgraph sample2.datの結果

3つ以上のデータでも必要に応じて空行をいれることで、 グラフにすることが可能です.

●●コマンドラインオプションによる振る舞いの変更

xgraph には様々なコマンドラインオプションがあります. これを利用することで、グラフにタイトルをつけたり、軸の文字を変えたり、 対数軸でグラフを書いたりすることが出来ます.

おもなコマンドラインオプションを表1に示します。コマンドラインオプションは xgraph -help で表示されます.

表 1. xgraph の主なコマンドラインオプション

コマンドラインオプション意味
-t titleグラフの題名をtitleにします.
-<数字> set_name数字番めのデータの名前をset_nameにします.
-p,-Pデータのある所に点を表示します.
-lnx,-lnyそれぞれ、x軸とy軸を対数表示します.
-x x_unit_name,-y y_unit_namex軸とy軸のラベルを変更します.
-lx x1,x2,-ly y1,y2x軸、y軸の表示範囲を設定します.
-lw line_width線の太さをline_widthに設定します.
-nlデータをつなぐ線を表示しません.

例えば、sample2.datで、 題名を「Important Data」とし、x軸が「seconds」でy軸が「value」、 0番めのデータは「good」で1番めのデータを「bad」として、 データのある場所に点を表示するには以下のようにします.

	  --------------------------------------------------
	  % xgraph -t "Important Data" -x seconds -y value -0 good -1 bad -P sample2.dat
	  --------------------------------------------------
	
表示は図5の通りになります.

図 5. コマンドラインオプション指定の効果

●●印刷の方法

印刷をするためには左上の方にある HardCopy ボタンをおします。 すると図6のようなウインドウが現われます。

図 6. ハードコピーウインドウ

プリンタに印刷するためには、 Print ボタンを選び、 File or Device Name:に、 gsと設定します.

最後に Ok ボタンを選ぶと印刷が行われます。

注意

[1]

もちろん、結果が出ないことも多かったのですが。