カテゴリ:Draw系描画ソフトウエア

idraw

●説明

10年程昔のことです。 UNIXには適当なDraw toolが無く、その作業だけMac等を利用して作業をせざるを 得なかったり、Postscriptという言語を用いて力業でグラフや図などを 作成していた時代がありました。 ここに、X11用のツールキットとしてInterviewsというC++言語ベースの ツールキットがスタンフォード大学から世に出されました。 この中には、当時としては相当使えるDrawツールである idrawというプログラムが含まれていました。 その後、日本語化および独自拡張がほどこされた kdrawというプログラムが公開され、 しばらく使われていた時代もありました。 現在のFreeBSD portsには、ツールキットから日本語化されたバージョンの Interviewsがjapaneseカテゴリに含まれています [1]

このInterviewsのidrawから継続して開発が続いている ivtools (http://www.ivtools.org/)もありますが、 こちらはまだ日本語での利用はできないようです。

筆者はTgifも使ってみたことがある [2]のですが、 普段使っているのは断然idrawの方です。 これは、以下のような理由からです。

●インストール

ja-idrawをパッケージやportからインストールします。

●設定

環境変数PATH/usr/local/interviews/binを追加し、 rehashなどをするのを 忘れないでください。 以下のようにすれば良いでしょう。

	[sh系の場合]
	% export PATH=${PATH}:/usr/local/interviews/bin

	[csh系の場合]
	% setenv PATH ${PATH}:/usr/local/interviews/bin
	% rehash
      
あとは、コマンドラインからidrawを起動させるだけです (図1)。

図 1. idrawの動作の様子

デフォルトの設定では、フォントの数や線種、 色の数が少ないと感じるかも知れません。 その場合は、 /usr/local/interviews/lib/all/app-defaults/idraw や、man idrawを参考にして、 .Xdefaults.Xresourcesに 自分が使う設定を追加すれば良いでしょう(図2)。 フォントの設定で注意が必要な点は、マニュアルには記述されていないのですが 日本語と英語をうまく同時に出すためのcomposite fontの設定も必要なことです。 ここでは、もう少し大きいフォントを足してみました。 デフォルトの日本語フォントは、fixedフォントを利用しており、 画面表示が汚いため東風フォントを指定し、 画面表示を改良してみました。 最後の2行は、背景色の追加です。 RGBの値で指定するか、色名で指定します。 後者の場合は、/usr/X11R6/lib/X11/rgb.txtを 参照すれば利用可能な色名が分かります。

図 2. idrawのリソース設定例

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idraw.font16:   Courier-Bold-Gothic-34 Courier-Bold-Gothic 34
*compositeFont16:       Courier-Bold-Gothic-34 \
  -adobe-courier-bold-r-normal--34-240-100-100-m-200-iso8859-1 \
  -kochi-gothic-medium-r-normal--34-240-100-100-c-200-jisx0208.1983-0 \
  b
idraw.bgcolor13:        DarkBlue        25 25 112
idraw.bgcolor14:        SkyBlue SkyBlue
---------------------------------------------
      

●使用方法

基本的に一般的なDraw系ツールによくあるGUIのインターフェースなので、 迷うことは無いと思います。 各ボタンやメニューの右側にアルファベットが書かれている場合は、 それがその機能に対するショートカットキーですので、覚えておくと便利でしょう。 最近のWindowsなどで共通に使われるものと似ていますが、 Ctrlは使わない点に注意してください。 このため、「文字列」で文字入力時にショートカットを利用する場合は、 Escで文字入力を解除した上で使う必要があります。

操作に関する主な注意点は以下の通りです。

問題点としては以下のようなものがあげられます。

注意

[1]

当り前ですが、オリジナル版はportsのx11-toolkitsカテゴリにあります。

[2]

正確には年に一度の年賀状ではTgifを必ず使っています。

[3]

単に、例えLaTeXを使うときでもMakefileを 書く習慣がなかったせいだとも言います;-)