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玄人指向 RD92-A128C(RADEON9200 128M) by 編集部 (武藤武士/mutoh@OpenEdu.org)

○製品情報

玄人指向RD92-A128C(http://kuroutoshikou.com/products/gboard/rd92-a128c.html)は、 ATI RADEON9200搭載のビデオカードです(表0表1,図0図1)。 128M DDRビデオメモリを搭載し、 DVI出力、TV-OUT出力機能を持ち、 AGP 8X/4Xに対応しています。

表 0. 表1.玄人指向RD92-A128Cの仕様

主な仕様 ATI製RADEON 9200搭載 DirectX 8.1、およびOpenGLをサポート 128MB DDRのビデオメモリ搭載 DVI出力、TV-OUT出力機能付 AGP 8X/4X
対応OSWindowsMe/98/XP/2000
付属品 マニュアル、 ドライバCD、 コンポジットケーブル、 S-Video-コンポジット変換ケーブル、 DVI-RGB変換コネクタ
保証1年間
製造元Powercolor [a]
注意:
a. http://www.powercolor.com.tw/

図 0. 図1.RD92-A128C

○動作環境の構築

テスト環境を表0表2に示します。

表 0. 表2.テスト環境

項目内容備考
マザーボードRIO WORKS PDVIAVIA 82C691 (Apollo Pro)
CPUPentium III 600MHz 
HDDIBM-DPTA-372730, 25GB, UDMA66 
メモリ320MB 
ビデオカードRadeon 9200 128M AGP玄人指向 GFX5200-A128C(Radeon9200)
モニターiiyama S702G 17インチ 
FreeBSDFreeBSD 5.1-RELEASE #0: Tue Jul 15 17:09:33 JST 2003 /usr/obj/usr/src/sys/GENERIC i386 

ports-currentのXFree86-4.3.0では、 Radeon 9200の正式サポートは含まれていません。 この状態でも、vesaドライバを利用することで、XFree86を動かすことは可能です。

radeonドライバを利用するためには、 DeviceセクションでDriver "radeon"を追加し、 更にChipId 0x4242を追加する必要があります(図0リスト1)。

図 0. リスト1.radeonドライバを利用する際の設定例(抜粋)

Section "Device"
        Identifier  "Card0"
        Driver      "radeon"
        ChipId      0x4242
        VendorName  "ATI Technologies Inc"
        BoardName   "Radeon 9200"
        BusID       "PCI:1:0:0"
EndSection

いずれにせよDRI(Direct Rendering Infrastructure) [1] は利用できませんので、 OpenGLなどの高速化は有効になりません。

XFree86の次期リリースバージョンである、 4.3.99.2(2003年4月10日版)にはRadeon9200の正式サポートが含まれているため、 性能をより引き出したい人はこちらを利用してください。 今回の性能評価では、このバージョンについては扱っていません。

○性能比較

ここでは、手持ちのMatrox G450の性能も比較用に載せました(表0表3)。 比較項目の詳細は、GFX5200-A128Cの記事を参照してください。

やはり、全体的にvesaドライバよりもradeonドライバの方が性能が出ています。 もちろん、一世代前のMatrox G450よりも早い部分が多いですが、 DRIが利用でき無い分、OpenGLなどの性能で負けている部分があります。

表 0. 表3.ベンチマークの結果

コマンドベンチマーク名RD92-A128C(vesa)RD92-A128C(radeon)Matrox G450 with DRIMatrox G450 w/o DRI備考
xgcCopy Area0.080.010.060.06 
xgcPoints0.0200.0180.0180.018100000 points
xgcLines0.0130.0030.0130.013501 lines of length 349
xgcSegments0.0110.0030.0100.011500 segments
xgcRectangles0.0120.0020.0070.007Total line length 159200
xgcArcs0.0060.0030.0040.003 
xgcFilled Polygons0.0060.0030.0040.003 
xgcFilled Rectangles0.070.000.020.0310586800 pixels
xgcFilled Arcs0.0160.0050.0060.006 
xgcPut Image2.580.592.122.25 
xgcText 80.010.000.000.00200 strings
xgcImage Text 80.020.000.000.00200 strings
xgcText 160.010.000.000.0050 strings
xgcImage Text 160.010.000.000.0050 strings
xengine4000rpm前後3000rpm前後1600rpm前後1600rpm前後benchmarks/xengine
glxgears 114.736FPS129.324FPS310.462FPS101.456FPS100回平均

○まとめ

玄人指向RD92-A128Cは、標準のXFree86でサポートされつつある グラフィックカードです。 まだ発展途上の部分はありますが、 次期リリースには正式サポートになるため、期待が持てます。

DRIに関しても、「Direct Rendering Open Source Project」では サポートとなっていますので、 FreeBSDでもそう遠くないうちにサポートされることが期待できます。 もちろん、自分で動作するようにしてもいいでしょう。

注意

[1]

FreeBSDに関する情報は、 DRI on BSD (http://people.freebsd.org/~anholt/dri/) が詳しい。

一般的な話はDirect Rendering Open Source Project (http://dri.sourceforge.net/)を参照。