[FreeBSD PRESS 製品レビュー]は、その時期ホットなデバイスについてFreeBSDにおける動作を調査し結果を報告する連載記事です。今回は無停電電源装置(UPS)のレビューを行いました。
サーバOSとして採用されることの多いFreeBSDにとって無停電電源装置の選択は重要な作業です。他の製品と違い正式にFreeBSD対応製品があることも無停電電源装置の特徴です。
計算機を購入する際はCPUの性能からメモリやディスクの容量、マザーボードの性能などを気にかけるものですが、無停電電源装置の場合は、動けばいいや、程度で済ませていませんか。
無停電電源装置(UPS)(バックアップ電源とも呼ばれます)にはほとんどの場合シール鉛蓄電池が採用されています。ノートパソコンなどで利用されているリチウムイオン電池やニッケル水素電池は価格と性能の関係でこうした装置には今のところ採用されていません。
この無停電電源装置のバッテリには寿命があります。ほとんどの場合20℃の環境で1年〜2年の寿命と3年〜4年の寿命の2種類があります。このバッテリは温度に敏感で、温度が10℃上がると寿命は半分になると言われています。温度に敏感なので動作させる環境によってだいぶ寿命が変化します。定期的なバッテリチェックと交換を怠れば動いて欲しいときに動かないということになるわけです。バッテリの寿命を調べるための自動バッテリチェック機能がない無停電電源装置だと交換し忘れで悲しい結末になりかねません。
またこのタイプのバッテリは使用しない時期はフルに充電した状態で保持するようにしないとバッテリが痛みます。リチウムイオン電池やニッケル水素電池とは逆の特性ですので覚えておきましょう。
過電流保護機能にヒューズを用いているかブレーカを用いているかも重要です。落雷や人災によって無停電電源装置の過電流保護機能が働くと、ブレーカであれば即復興することができますが、これがヒューズだとヒューズ自身を交換する必要があります。
あと見落としがちですが筐体の大きさや重さにも注目しましょう。計算機の移動に伴って無停電電源装置を移動させることだってあります。縦横双方向に設置可能で軽いものを選ぶと移動や設置が楽になります。
また安価な製品には制御用のRS232Cケーブルが同梱されていないものもあります。別途ケーブルを購入する必要がありますのでそのあたりも調べてから購入すると良いでしょう。
無停電電源装置を購入する際には少なくともバッテリの寿命、自動バッテリチェック機能の有無、ヒューズかブレーカか、筐体の大きさと重さについて調べましょう。また使用対象や非推奨の使い方などの情報が公開されていますから、購入前にはチェックしておきましょう。
サーバ用としては特にバッテリの寿命に注目した方が良いでしょうし、作業用PCの電源として用いるなら筐体の大きさや重さも考慮に加えましょう。
今回はそれぞれ特徴が異なる作業用PC向けの常時商用給電方式低価格モデルを取り上げました。無停電電源装置はほとんどの場合定電圧定周波数機能(CVCF)を合わせて持っています。サーバや工場向けのモデルよりも性能は劣りますがこのモデルは比較的安価で販売されています。仕事のほとんどを計算機に依存している方も少なくないはずです。落雷でハードディスクが壊れたとなるとかなりの被害をこうむります。備えあれば憂いなしです。
無停電電源装置を購入する場合、無停電電源装置のバッテリには寿命があるということを忘れないでください。購入後バッテリの寿命が切れたら交換するのか買い換えるのかあらかじめ計画を立てておきましょう。
また無停電電源装置設置の際にはアースを接続するように心掛けてください。アースを接続しないど事故の原因になることがあります。エアコンが導入されている屋内の場合、エアコンの設置に際しアースが設置されていますのでそれを利用しても良いでしょう。
今後連載で取り上げて欲しいデバイスがありましたらFreeBSD PRESS編集部(FreeBSD-PRESS@ux.mycom.co.jp)までお知らせください。なお本記事は、動作を保証するものでも購入を勧めるものでもありませんので、あしからずご了承ください。