コンピュータを使う上で、キーボードは無くてはならないものです。 確かに、GUI操作だけでほとんどの操作ができるような環境も整って来ていますが、 文章を作成するときには今のところキーボードに勝る方法は無いようです。 PDAなどの手書き入力も長い文章を作成するのには向きませんし、 携帯電話やPalmなどで利用されている POBox もキーボードでの入力とも併用できますので、 手書き入力だからという利点にはなり得ません。
とはいえ、私の場合も20年ほどのコンピュータ歴の中で、 タッチタイピングができるようになったのは8年程前と非常に遅い方です。 それまでは、人指し指だけでバシバシ打つ方式での入力でした。 しかし、タッチタイピングができるようになってからは、 確実に能率が上がりました。
というわけで、ヨメさんが最初にコンピュータを使うようになった時 [1] も、 まず最初にタッチタイピングの練習から入りました。 子供がコンピュータを使うようになるときにも練習させようと思っています。
というわけで、「家族で楽しむFreeBSD」路線のこの記事でタイピング練習ソフトウエア を紹介したいと思います。
まずはじめに、タイピング練習ソフトウエアを紹介します。 タイピング練習ソフトウエアとしては、 typist (japanese/typist)と GNU Typist (http://www.gnu.org/software/gtypist/, games/gtypist) があります。 両者ともQWERTY配列での練習が可能です。
日本語で解説を読みたい場合は、typist、 英語でも構わない場合はGNU Typistを利用すれば良いでしょう。 また、JIS配列で練習したい場合はtypistが唯一の選択肢に なります。
GNU Typist(図2)は もちろんASCII配列のみのサポートです。 このソフトウエアは、 GNU and Educationプロジェクト (http://www.gnu.org/education/education.html) の一環として作成されているもので、 このプロジェクトには他にも面白そうなソフトウエアで、 まだportsになっていないものもいくつか含まれています。 いつか、この辺りのソフトウエアも機会を見て、ご紹介したいと思います。
ある程度キー配列に慣れてきたら、あとは練習あるのみです。 ここでは、反復練習用のソフトウエアを紹介します。 反復練習に向いたものでもゲーム性の強いものは、 次の項目に分けて紹介します。
反復練習の時に注意をしなければならないことは、 キー配列が分からなくなっても絶対にキーボードを見ないことです。 キーボードを見てばかりいると、キーボードを見る癖がついてしまいます。 これは、大きな視線の移動を伴いますので、 効率的なタイピングを行うためには絶対にするべきではありません。
xtypo(misc/xtypo)は、 Qwerty配列のASCIIキーボードの反復練習が可能なソフトウエアです。 特長は、片手での練習が可能な点です。 レベルは8段階で自由に選べますので、 自分のレベルにあった練習が可能です。
タイピング練習は繰り返しが重要ですが、単調なレッスン形式の繰り返しでは、 どうしても飽きてしまって挫折することも多いかと思います。 かく言う筆者もこれから紹介するtrrで、 強敵 [2] とtrrで競いあい、 切磋琢磨することでようやくタッチタイピングができるようになった口なので、 遊びの大切さを経験として実感しています。
ここでは、このような「遊んで学べる」ソフトウエアを紹介していきます。
TuxTyping (http://www.geekcomix.com/dm/tuxtype/, game/tuxtype )は、 Linuxのキャラクタとして有名なTux君が画面をところ狭しと動き回りながら、 お魚にありつくというタイピング練習ゲームです (図5)。 次々に変る背景が美しいゲームです。
Gcompis (http://gcompris.sourceforge.net/ games/gcompris ) は先ほど紹介したGNU and Educationプロジェクトの一部で、 3歳児以上の様々な教育をゲーム感覚で行えるようになっているソフトウエアです。 もちろん、コンピュータのための教育用ソフトウエアも含まれており、 ここに文字入力と単語入力のレッスンソフトウエアが含まれています。
このソフトウエアはいろいろと楽しいので、 詳細に関してはまた機会を改めてご紹介したいと思います。
trr (japenese/trr-*) は、emacsファミリー上で動作するタイピング練習ソフトウエアです。 ゲーム色が濃い部分は、過去の成績などが残され、 さらに各ユーザの成績が記録されるため、 対戦をしているような感覚で練習が行えるためです。 これは、学校などのある程度の人数がある場所で行うと、 自然と練習してくれるという点で非常に優れたソフトウエアと言えると 思います。
Netype (http://www.i.his.fukui-u.ac.jp/~funakami/software/)は、 サーバであるnetypesv ( japanese/netypesv)と クライアントであるnetype ( japanese/netype) からなるクライアントサーバ形式のネットワーク対戦ゲームです。
サーバはJavaで実装されており、 独自のプロトコルNTSP(Network Typing Software Protocol)を提供します。 このプロトコルに従っていれば独自にクライアントを実装することが可能で、 プロトコル自体もWebページで公開されています。 portsでは、JDKとして1.2に依存していますが、 1.1.8で動作させる方法は中道さんの記事(No.7)で紹介されていますし、 他のJDKでも同じように動作すると思われます。 サーバは以下のように動作させます。
% netypesv標準設定(/usr/local/share/java/netypesv-0.1.0/netypesv.conf)では、 2345番ポートでサーバが待ち受けをしています。
クライアントはサンプル実装という位置づけですが、 gtkを利用し、可愛い猫のキャラクタでゲームが可能です(図8)。
実は、Netypeは英単語の勉強用としても優れていると思います。 単語辞書は、 /usr/local/share/java/netypesv-0.1.0/qlist にありますので、適宜追加/修正を行うことで、 自分好みの単語で練習が出きるようになります。
今回は駆け足でタイピング練習ソフトウエアを見てきました。 ほとんどの人にとって釈迦に説法な記事だったかも知れませんが、 まだタッチタイピングができない人は、これらのソフトウエアを利用して、 是非「ちょっとできるように見える」人を目指してください。
[1] | ちなみに、彼女はWindows系にも毒されておらず、 FreeBSDが最初の環境だったもので、 こういうものだと思ってくださっています(^-^;) MUAは、xemacs+Mewです。 |
[2] | 「とも」と読む;-) まあ、実は単なる研究室の同級生や先輩方だったんですが。 |