複数人または個人で仕事を行う場合、作業を確実にそして円滑に実行するには関連する多くの事柄を整理する必要がある。整理される事柄は数十年程は使用できる何らかの普遍的な表現で記録が行われないと、担当者以外の者が仕事を受け継ぐときや、仕事グループ内での情報共有を行うとき、自らが過去に行った仕事のメンテナンス等を行うときに問題が生じる。
こうした問題を解決する方法の一つは、作業の内容や関連する事柄をよく整理された文書として保存することである。文書の可搬性を考慮すると、作成される文書は所々の場面で違った文書形式で利用されるよりも一つの文書形式で利用された方が良く、また紙媒体へ作成および保持されるよりも電子情報として作成され保持される方が好ましい。一度作成した文書は媒体の変化や利用する計算機環境の変化に影響されるべきではない。一度作成した文書は手作業で作業を行うことなく、計算機を用いた利用が簡単であるべきである。
こうした要求を満たす、計算機を用いた可搬性の高い情報共有用文書として版文が考案された。
版文 は知識を共有し蓄積することを目的とした文書形式およびそれに関する概念の総称である。
版文では次の項目を主な目的とする。
版文は一度整理した文書が多くの人の目に触れ、その質および利便性を向上させることを目的として通し番号を持つ。通し番号を指定して版文を示す場合、「実装詳細に関しては版文2を参照のこと」のように「版文 番号」の形式で記述する。通し番号ごとに版文文書はバージョン管理の対象となる。版文として整理される対象は技術、開発、研究、会計、経理、営業、経営、法律、保険等仕事に関連するすべての分野に及ぶ。
版文という名前は、論文ほど厳密な文書ではないが出版される書籍や雑誌程度には内容を整理しようということから、出版と論文の文字からそれぞれ一字をとって版文と命名された。英語での表記はPress Paperとする。ローマ字での表記はBanBunとする。
また仕事において関連する情報を版文に整理するこの取り組みまたはその概念の総称を版文制度と呼ぶ。
版文の文書形式は汎用論理構造文書に文書モジュールおよび版文モジュールを用いたものとして定義される。詳細はそれぞれ次に示す版文を参照のこと。
版文文書記述例として本版文1の記述例を次に示す。
参考文献
[1] 後藤 大地, 小澤 正紀, 版文2. 汎用論理構造文書, ONGS Inc., 2002年4月
[2] 後藤 大地, 版文3. 汎用論理構造文書 文書モジュール, ONGS Inc., 2002年4月
[3] 後藤 大地, 版文4. 汎用論理構造文書 版文モジュール, ONGS Inc., 2002年4月